世界中がKobeへの愛で満ち溢れている

まさに、青天の霹靂だった。

2016年に引退したKobe Bryantと彼の娘・Giannaを含む9人が、ヘリコプターの墜落事故で亡くなった。享年41歳。あまりにも突然すぎる別れだった。Giannaのバスケットボールの試合へ行く途中で、ヘリコプターには他の選手とその両親らも乗っていたという。生存者はいなかった。




Kobeは、日々の遠征のため、家族、特に娘たちと共に過ごす時間が少ないことを憂いていた。少しでも長く家族の側にいられるようにと、ヘリコプターによる移動を始めたという。ホームゲームでロサンゼルスにいられる間は、時間の許す限り、娘たちの送迎などに時間を費やしていた家族思いの人だった。

事故の数週間前、ある大事故を目撃したKobeは、救助が訪れるまでの間、交通整理をして被害者に寄り添っていた。Kobeは、バスケットボールのコート上だけで偉大な選手だったわけではなく、人として偉大な存在だった。そんな彼が、不慮の事故によって命を落とすなんて。現実はどれだけいたずらなんだと、運命を呪った人も少なくないだろう。



世界中が悲しみに暮れた日、多くの人々が彼に向けてSNSを通して追悼の言葉を発信した。彼を知る人々による彼に向けた尊敬と愛情の言葉の山でタイムラインは埋め尽くされ、世界中がKobeへの愛で満ち溢れていた。



“KobeとGiannaの訃報に驚きを隠せない。私が今感じている気持ちを、言葉で表現することができない。Kobeは私の弟のような存在だった。私たちは頻繁に言葉を交わしていたが、それがなくなると思うととても寂しくなる。Kobeは激しい競争者で、バスケットボール史上最高の選手の一人だった。そして、Kobeは最高の父親であり、家族を深く愛していた。娘が抱くバスケットボールへの愛情を、心から誇りに思っていた。” —— Michael Jordan




“Kobeが初めてNBAに入ってきた時のことを覚えている。ワークアウトの際、私はMJにこう言ったんだ。「あの若造は、あなたのようにプレイし、あなたのように話し、あなたのように歩き、あなたのように舌も出す。あいつは大物になるよ。」” —— Scottie Pippen




“この心の痛みを表す言葉が見つからない。私の兄弟・Kobeと私の姪っ子・Gigi、私は2人のことを愛している。いなくなってしまって寂しく思う。今、本当につらすぎる。” —— Shaquille O'Neal(1/2)





“Kobeはアスリート以上の存在だった。彼は家族を愛する男だった。それこそ、私たちの一番の共通点だった。私は彼の家族を自分の家族のようにハグするし、彼も私の家族を自分の家族のように抱き締める。彼の愛娘・Gigiは私の末娘・Me'Arahと同じ日に生まれたんだ。” —— Shaquille O'Neal(2/2)



友であり、レジェンドであり、夫であり、父であり、息子であり、兄弟であり、オスカー受賞者であり、レイカーズ史上最高の選手の一人が、この世を去った。受け入れ難いことだ。Kobeはバスケットボール界のリーダーであり、男女問わずあらゆる選手たちにとってのメンターだった。” —— Magic Johnson




“今回の事故は、複数の家族にとって悲劇だった。私の心は、愛する者を失ったVanessaと家族に向かった。Kobeは、多くの人々にとって、多くの方法で特別な存在、まさに選ばれし者だった。私たちの関係はコーチとプレイヤーという形を超越するものだった。そのKobeが、幕の向こう側へ旅立ってしまった。” —— Phil Jackson




“Kobe Bryantという、現代のスポーツ史上最高の一人を失ってしまった。類稀な才能に恵まれ、世界中から尊敬された人物だった。常に特別な何かを成し遂げることを追い求めていた。彼以上の戦士は今後、現れることはないだろう。私は、2008年と2012年のオリンピックでKobeを指導する機会にあずかり、光栄だった。彼が母国を代表することを心から大切にし、大好きな競技をトップレベルの姿勢で共にプレイしてくれたことを、私は決して忘れない。現代のバスケットボールが過去から進化しているのは、Kobeのおかげ。それだけの評価に値する選手だ。今回の事故は痛ましい。彼の娘さんのGianna、搭乗者全員が犠牲になったことで、一層痛ましい。Kobeを本当に愛し、尊敬していたKrzyzewski家全員が悲しみに暮れている。” —— Mike Krzyzewski



“Kobeについての忘れられないストーリーがある。それは、私のルーキーシーズン、初めてLos Angelsに向かって敵地でLakersと対戦する時のことだった。彼は私が滞在していたホテルに来て、私をレストランへと連れ出してくれた。食事も終わり、さよならをする時、彼が私に尋ねてきた。「今晩、何をするんだ?」私はこう答えた、「クラブへ行くね。あなたはどこへ行くんだ?」彼はこう答えた、「体育館へ行くね」。これこそ、彼がずっと貫いてきた姿だった。真のバスケットボールの体現者のね。私たちは皆、「Mamba Mentality」から、そして彼の生き様から多くを学ぶことができる。” —— Allen Iverson




まだ心の準備ができていないけど、前に進もうと思う。今ここに座り、何かを投稿しようと書き始めているけど、その度に涙が流れ、姪っ子のGigi、そしてあなたとの友情、絆、兄弟愛を思い起こす。私は日曜日の朝、ちょうどPhillyを発つ前に、文字通り電話であなたの声を聞いたばかりだ。それが私たちにとっての最後の会話になろうだなんて、夢にも思わなかった。信じられない。胸が張り裂け、悲しみに打ちひしがれているよ。Kobe、あなたのことが大好きだ。私の心は、Vanessaと子どもたちに向かっている。私は約束する、あなたのレガシーを、私が受け継いでいく!Laker Nationにとって、あなたは大きすぎる存在だ。今、私がその重圧を背に受け、受け継いでいくよ。だから、天国から見守り、力を与えてほしい。私たちはいつも一緒だ。伝えたいことは山ほどあるけど、今は乗り越えられそうにないから、これ以上何も言葉にできない。また会う日まで、兄弟!” —— LeBron James


Kobeが亡くなっても、世界は動き続ける。NBAも例外ではなく、Kobeが亡くなったその日に、予定されていた試合は滞りなく行われた。その中で、その日の2試合目だったRaptors対Spurs戦で、2チームはKobeへの愛に満ちた演出でKobeを弔った。Kobeと彼の背番号「24」に敬意を表し、開始最初のそれぞれのポゼッションで意図的な24秒バイオレーション。24秒のブザーが鳴り響くのを初めて聞いた時、本当に胸が詰まった。「Kobe、お休みなさい」と語り掛けているようだった。この試合以後、各チームが試合開始直後に8秒バイオレーション、24秒バイオレーションを行っている。


試合中、込み上げる涙を抑え切れなかった選手も数多くいた。RocketsのTyson Chandler、Austin Reverse、PJ Tuckerの3人が落涙しているこの写真は、NBA選手全員の気持ちを表す一枚だ。他にも、Larry Nance Jr.、Devin Bookerなどが、コート上で感情を全面に出して涙した。


実際の試合で、Kobeの背番号のユニフォームを身にまとう選手も現れた。2015-2016シーズンにLakersでチームメイトとして共にプレイしたLarry Nance Jr.は、Cavaliersにトレードされた直後、背番号を24番にした。その後、現在の22番に変更したものの、Kobe信者のNance Jr.はKobeの死を受け、彼を讃えるべく久しぶりに24番のユニフォームに袖を通した。



複数の選手が背番号の変更を自ら申し出る「非公式永久欠番」の動きも始まった。いの一番で名乗りを上げたのは、NetsのSpencer Dinwiddieで、現在の8番を新たに26番へ変更するという。26番を選んだ理由としては、「Kobeの命日が1月26日だから」「Kobeの24番+Giannaの2番」などが推測されたが、本人のTwitterによると「息子の誕生日20日+自身の誕生日6日」で26番とのこと。家族思いだったKobeを受け継ぐかのような行動に、胸が熱くなったDinwiddieに続き、MagicのTerrence Ross、ClippersのMaurice Harklessも背番号を変更した。



若くしてこの世を去ったKobeを真の意味で追悼するべく、ファンの間でKobeのシルエットを新しいNBAロゴにしようという署名運動も沸き起こった。これまでに60万人以上の署名が集まっているという。


LAには、亡くなったGiannaとKobeが描かれた壁画も現れた。2003年のレイプ事件後、家族への忠誠を誓い、“Family First”を貫き通したKobe。特に、バスケットボールでその非凡な才能を表し、将来WNBAの選手になる可能性も大いに秘めていたGiannaとの絆は強かった。ヘリコプターが墜落するまでの間、Giannaのすぐ側にいてKobeはどんなことを思っていたのだろう。そう考えるだけで、胸が詰まる。


遠くフィリピンの地でも、Purple & Goldで彩られたビルのライトニングや、ストリートコート上に描かれたKobeとGiannaの絵画など、Kobeへのトリビュートが捧げられていた。




18回のオールスター出場、15回のオールNBAチーム入り、12回のオールディフェンスチーム入り、歴代4位の通算得点、2回の得点王、1回のMVP受賞、5回の優勝、2回のFMVP… 彼の功績を数え出したら枚挙にいとまがない。それだけ偉大で唯一無二の、真のレジェンドだ。正直、私にとって、Kobeは一番のアイドルというわけではなかった。しかし、いまだにKobeが亡くなったことが信じられず、また、失ってみて初めて、自分自身がKobeを尊敬していて、深く愛していたということを知った。Kobe Bryantは私の心の中で永遠に生き続け、世界中のKobeを愛する人々の心の中でも永遠に生き続けていくのだと思う。

Rest in Peace, Kobe.







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