Andre Iguodala、Miami Heatに電撃移籍!

Memphis Grizzliesで実質「休職」状態だったAndre Iguodalaの去就が決まった。移籍先が見つからなければ今季全休の可能性もあり、Grizzliesの若手・Dillon Brooksには「トレードされるのが待ち遠しい」と公に非難され、Ja MorantにもBrooksに同調するSNS上での発信をされ、話題が沸騰したばかりだったが、今日になってその状況が急転直下し、移籍が決定。移籍先は、噂されていたLos Angels LakersでもMilwaukee Bucksでもなく、ダークホースのMiami Heatだった。


Iguodalaの電撃移籍のニュースが流れたのは、日本時間午前10時30分頃。デッドラインまでに移籍がまとまるかどうかは五分五分の印象で、正直ノーマークだった。


Iguodalaの移籍先は、現在東4位と好位置につけるMiami Heat。加えて、36歳にもかかわらず2年3,000万ドルの延長契約を交わしたから驚きだ。(2年目の2021-22はチームオプション。)

Iguodalaの移籍に伴い、HeatからはJustise WinslowがGrizzliesに送られた。Winslowは若手の台頭によりチーム内での立ち位置が危ぶまれており、チームに対して不満を抱いていたという噂もある。実は、Woj砲が炸裂するより前にInstagramでGrizzliesのキャップを被った写真を投稿しており、移籍をほのめかしていた。







Justise Winslow(@iamjustise)がシェアした投稿 -

オブラートに包むことなくはっきりとIguodalaを批判していたDillon Brooksは、Iguodalaの移籍が決定した後、メディアの取材に対応。Winslowの加入を喜んだ。これで正式に、Iguodalaを取り巻くSNS上での非難合戦に終止符が打たれた。


“これでやっと、俺たちが求めていた、俺たちと一緒にプレイしたい選手を獲得できた。いい感じだね。”


ちなみに、Brooksは同日、Grizzliesと3年3,500万ドルで契約延長。Iguodalaの放出が追い風になったのかもしれない。

しかし、Heatの動きはこれだけに留まらないようだ。報道によると、GrizzliesとHeatによる2チーム間トレードと思いきや、どうやらデッドラインまでにOklahoma City Thunderを巻き込んで3チーム間トレードに持ち込む狙いがあるらしい。そのターゲットは、Danilo Gallinariだという。


今夏もCP3とWestbrookのトレードに巻き込まれThunderに流れ着いたが、またしてもトレードの憂き目にあいそうなGallinari。ただ、当の本人は報道に次ぐ報道の波にのまれることなく、飄々とする。そこには、かつて両親から学んだ大切な教えがあるという。


“子どもの頃に両親から教わった大切な教えがある。「新聞やメディアは見るな。」だから私は、その類のものを一切見ない。特に、シーズン中はね。私はゲームに集中する。”


Woj氏によると、Heatの球団社長であるPat Rileyは今季、本気でチームのテコ入れに取り組むという。Iguodalaに加えてGallinariまで加えられたら、Heatは間違いなく東でも1、2を争う存在、そして、東の大本命・Bucksに対抗できる存在になれるだろう。

ところで、Iguodalaの移籍で気になるのは、サラリー問題。今回の移籍で、チーム内のバランスはどう変わったのだろうか。


Grizzliesでは1試合もプレイしないながらもチーム最高のサラリーをもらう「給料泥棒」だったIguodalaだったが、Heatではチームで3番目のサラリーとなる。ベテラン3人がトップ3を固めている格好だ。一方で、Butlerが唯一マックス契約で全体の4分の1を稼ぐが、その他の主力は驚くほど格安だ。特に、Kendrick Nunn、Duncan Robinson、Bam Adebayo、Tyler Herroなどは500万ドルにも満たない破格のリーズナブルプレイヤーたちで、どれだけHeatのフロントが有能なのかがわかる。Rileyの敏腕っぷりも健在だ。

周りのNBA選手も、この点は注視している。BlazersのCJ McCollumは、若干ディスりながらもIguodalaを称賛している。


“Iguodala、君はレジェンドだ。確かに、シーズンの半分を棒に振った。しかし、家族と共に時間を過ごせたし、自身の本のプロモーションもできた。引退後の生活の入念な計画と、そのための資金調達もできたわけだ。尊敬しかない。” 


ともかく、これで正式にHeatの一員となり、新たな船出となったIguodala。これから休養十分でシーズンに臨むことになるわけだが、心配されるのはブランク。ただ、体のコンディション自体はかなり良好らしく、体重も抑えられているという。今後の日程としては、日本時間の土曜日にSacramentでチームに合流する見込み。デビュー戦の具体的なめどはまだ立っていないという。


優勝3回、FMVP1回の素晴らしい経験を持つIguodalaが、才能豊かな若手を多く擁するHeatでベテランとしてどんな役割を果たしていくのか、楽しみで仕方ない。


(以下、デッドライン後に追記)


Heat-Grrizlies間のトレード内容が確定。HeatはJae Crowder、Solomon Hillを獲得し、Dion Waiters、James Johnsonを放出した。結局、噂されていたGallinariのトレードは実現しなかったが、一連のトレードでHeatは全体的にバランスの良い布陣になった印象。コート内外で問題児だったWaitersともお別れできたわけで、その点からも大成功を収められたトレード冬の陣だったように思う。


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