Nuggetsの重要なピースになっているMichael Porter Jr.

  1-3とシリーズ敗退に王手が掛かった崖っぷちの状況でGame 5に臨んだNuggets。試合の天王山でルーキーが大車輪の活躍を遂げてClippersを退け、2-3と踏みとどまった。そのルーキーとは、Michael Porter Jr.である。

 


 試合は終始Clippersが優位に進めていたが、4Qの残り7:06にNuggetsが初めてリードを奪うと、追いすがるClippersを振り切り激戦を制した。リードチェンジはその1回のみ、最大点差としてはClippersが16点差を築いていたのだが、後がないNuggetsが見事なカムバックを見せた。

 


 ClippersのPGは試合後、彼らには選択肢が残っておらず、まさに死に物狂いだった。私たちのほうが『運転席』にいたわけだが、彼らが行きたかった場所へと彼らを連れていってしまった。彼らを早くに追い出しておけばよかった」と反省の弁を語った。

 4Qの終盤、ClippersはKawhi・PGの2枚看板の活躍で2点差まで詰め寄ったが、Michael Porter Jr.が引導を渡した。残り1:11、嫌な流れを断ち切り大きなリードをもたらす値千金の3PTSをヒット、105-100とする。また、その後のディフェンスでも、Zubacのダンクを見事にブロックし、重要な局面を乗り切る新人離れした活躍を披露した。


 正直、残り1:11の3PTSは、「そこでお前が打つ⁉︎」と思ったNBAファンの方も多かったかもしれない。私も打った瞬間はその思いを抱いたことは否定できない。しかし、MPJは決め切り、チームを救った。良い意味での空気の読めなさ、思い切りの良さで結果を残したことが何より素晴らしかった。


 実はMPJ、前の試合であるGame 4の終了後、「Clippersという強大な敵を倒すためには、もっと多くの選手が試合に絡んでこないといけない。Murray、Jokicだけで勝てるほど甘くはない」といった物議を醸す発言をしており、Mike Marone HCにも「ロッカールームの外に持ち出すべき話じゃない」とたしなめられ、Damian Lillardからも批判の声が上がっていた。

 ただ、MPJもチームメイトを批判する無鉄砲な発言をしたかったわけでも、そういった意図があったわけでもないと釈明。「自らが正しいというエゴを主張したいわけではなく、チームメイトの声に耳を傾けていきたい」と語っている。


 

 色々複雑な舞台裏もあると思うが、話は至ってシンプルで、MPJが活躍を遂げ、Nuggetsが勝ち切った、という最も重要な事実に目を向ければいいと思う。「強い者が勝つわけではなく、勝った者が強い」という言葉もあると思うが、今日はClippersよりもNuggetsのほうが強かった。そのキーパーソンになったMPJは称賛に値する、そう思う。

 背中の負傷で昨年は全休したMPJにとって、今季は実質1年目のシーズンを送っているわけだが、出場したりしなかったりが続き、決して安定していなかった。しかし、1巡目14位指名ではあるものの、元々はケガがなければ1位指名も期待された逸材。Luka DoncicやTrae Youngら同期が先にブレイクしたのを横目に、Playoffでの躍進を胸に秘めていただろう。

 シーズン再開から現在まで、その潜在能力を十二分に発揮しているMPJ。2-3とこのシリーズが追い詰められた状況にあることは変わりはないが、彼の爆発と成長がNuggetsにとって不可欠であることは疑いようがない事実だろう。

 


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