レブロン・ジェームスが引退するのは少なくとも43歳以降?

 16回のオールスター出場、4回のシーズンMVP、10回のファイナル出場、4回の優勝、4回のファイナルMVP。これまで17年にわたって、NBAのトップレベルでプレイしてきたロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームスは、特に今年、これまでのNBAのキャリアの中でも最高の1年として、タイトルを獲得してシーズンを締めくくった。

 12月に36歳になるレブロンが、これだけの長い間リーグを支配してきたことを考えると、次の問いが頭に浮かんでくる。「レブロンはこれから先、どのくらい長くこの高いレベルのプレイを維持できるのだろうか?」「レブロンは一体、何歳までプレイできるのだろうか?」。今回は、レブロンがこれまでに自ら語った自身の引退のタイミングと、彼が今描いている引退までの青写真について取り上げてみたい。



 レブロンは優勝直後、NBA TVのGame Timeによるインタビューに応じ、今現在、彼がいつ引退する心づもりでいるかについて答えた。これがレブロンが自身の口で語った、引退に関する最新の展望だ。


 “正直、わからない。わからないよ。ただ、自分の中で限界を決めてはいないんだ。私には、まだあと何年も残されていることを知っている。だけど、それがどれくらいになるのか、何年になるのか、はっきりとはわからない。ただ、まだまだ高いレベルでプレイし続けられるということはわかっているよ。”


 レブロンは、自分自身にはまだ長くプレイしていくだけのエネルギーが残っているということを、はっきりと理解している。またそのうえで、次のように付け加えた。


 "自分の持っているエネルギーのうちの多くは、私の家族にも向かっていく。私には3人の子どもがいて、そのうちの一人(ブロニー)はもうソフォモア(日本の高校1年生)になる。私にとって、彼の存在は大きい。ゲームに関していえば、私はこれからもしばらくの間、自分がまだまだプレイできるとわかっているよ。”




 レブロンの頭の中で、現時点では具体的に引退がいつになるかははっきりとはわからず、まだまだ高いレベルで長くプレイできるという確信があるのは事実。一年でも長くレブロンのプレイを見ていたいという希望のあるファンとしては、何とも頼もしいコメントだ。

 レブロンの引退までの期間がどれくらいになるかを掘り下げるにあたり、鍵を握っているのは息子・ブロニーの存在と言えるだろう。


 レブロンはかねて、長男のブロニーとNBAの舞台で共にプレイすることを希望している。(詳細は「レブロン・ジェームスとブロニー・ジェームスがNBAで親子共演を実現するために必要なこと」の記事をチェック)。インタビューの中でも、ブロニーの存在について言及しており、彼の将来に対する展望の中でブロニーが果たす役割は大きいと言えるのではないだろうか。

 ブロニーがNBA入りを果たすとしたら、最短で2023年になる。つまり、レブロンがブロニーとの親子共演の実現するとしたら、少なくとも3年後の39歳まで、レブロンはNBAでプレイし続けている可能性が大きいということである。


 この点について踏み込んで考えてみると、「39歳の時にレブロンがどのチームにいるか?」という疑問が出てくる。それについても掘り下げてみよう。


 レブロンは今年3月に、こんな言葉を残している。


 “私が絶対にプレイしないNBAのチームはどこかって? おいおい、私はまだプレイしてるぞ。 私はこれまでずっと、すべての選択肢をオープンにしてきた。でも今、一つのことをあなたたちに伝えよう。ここ(ロサンゼルス)以外に、私が行きたい場所なんてないんだ。私は残りの生涯ずっと、レイカーでいたい。”


 レブロンは今後ずっと、レイカーズの一員としてキャリアをまっとうすることを心の中で決めているようだ。



 それではここからは、レブロンが何歳までプレイするかについて分析していきたいと思う。


 参考になるかもしれない情報がある。レブロンはかねて、NFLのスーパーボウルで個人として史上最多の優勝6回を誇り、43歳と年齢を重ねてもまだトッププレイヤーとして活躍するトム・ブレイディーとの親交が深い。そのトム・ブレイディーと1年前の2019年11月に、SNS上でこんな掛け合いがあったのだ。



 レブロン・ジェームズ:

 私とトム・ブレイディーはまさに一心同体だ。私たちは、もうこれ以上歩けなくなるその日まで、現役でプレイし続けるよ。

 トム・ブレイディー:

 私も、ダンクできなくなるその日までプレイし続けるよ!


 レイカーズが4回目の優勝を果たした後にも、トム・ブレイディーとレブロンはこんなやりとりを展開しており、彼らの思いがいまだに共通しているのだと伺える。



 トム・ブレイディー:

 4回目の優勝おめでとう、ブラザー! 年寄りってのも悪くないだろ?

 レブロン・ジェームズ:

 ハハハ! ブラザー、ありがとう! 年寄りキングも悪くないね!

 

 彼らの関係性を見る限り、レブロンはトム・ブレイディーの姿を追い掛けているように思える。それを考えると、43歳で今なお現役トップレベルを誇るトム・ブレイディーと同じくらい、もしくはそれ以上長くプレイするためには、レブロンは少なくとも今のブレイディーと同じ年齢の43歳までプレイする必要があることになる。年数にして、7年。レブロンならやってのけそうな年数に思えてくるから恐ろしい。



<レブロン・ジェームスの引退時期に関する情報 まとめ>

● 現時点では、具体的な引退時期を名言できない。
● 長男・ブロニーがNBA入りを果たす2023年(39歳)までは最低限プレイしている可能性が高い。
● 兄弟のように固い絆のあるトム・ブレイディーと共に、「歩けなくなるまで」プレイする予定。
● トム・ブレイディーは43歳の今もなお一線でプレイしている。もうすぐ36歳となるレブロンもその後を追って、少なくとも7年後の43歳まではプレイする?


 これらは、本人が実際に語った言葉を基にまとめているものの、あくまで予想の範疇を越えないため、実際に実現するかどうか、またその可能性がどれくらい高いかも定かではない。ただ、人の何倍、何十倍も健康に投資するレブロン(詳しくは「レブロン・ジェームスがボディケアに費やす1.5億円の使い道」の記事をチェック)が、実際に7年後の43歳までプレイしていたとしても、何ら不思議ではない。その意味で、レブロンはNBAで新たな歴史を作り、伝説となれるかもしれない。


 ちなみに、歴代で最も高齢でファイナルMVPを獲得したのは1985年のカリーム・アブドゥル・ジャバーで、その年齢は38歳54日。今回のレブロンは35歳284日での獲得で、歴代2位に入る。43歳まで現役を貫くことを本気で考えるのであれば、このレイカーズのレジェンドの偉大な記録を超える可能性は十分にあり得るだろう。




参考:

LeBron James Just Addressed When He Plans To Retire From Basketball」(Sportscasting)

LeBron James Says He and Tom Brady Will 'Play Until We Can't Walk No More'」(BleacherReport)

The oldest Finals MVPs in NBA history (featuring LeBron James at No. 2)」(HoopsHype)

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